「それをください」、「それじゃないです」、「それについて考えてたんです」、・・・


日本語の代名詞「それ」は、英語では'that'か'it'に使い分けられます。

いずれも代名詞('that'は指示代名詞、'it'は人称代名詞)です。


多くの日本人の方々は、「それ='it'」のイメージを持っておられますが、日本語でわざわざ「それ」という場合、英語は'that'となることの方が多くなります。 




◆指示代名詞'that' 


'that'は、対象となるものを指差すイメージで、「それ」と指し示すための代名詞として機能します。

 

それまでの会話に出てきていないものを初めて指し示しながら、「それ」と言及する際にも使うことができます。




◆ 人称代名詞'it' 


一方、'it'は、話し手・聞き手の間において、それまでのやりとり・会話、背景などからおのずと限定されるもの、特定できるものであることを示すための代名詞です。

同じ対象(名詞)に繰り返し言及することを避ける目的に使用され、「(さっき話題に出た)モノ」、「(こないだ言っていた)モノ」、「(ほら、例の)モノ」、・・・のような名詞を対象として、'it'となるわけです。

また、初めて会話に出てくるものを指差しながら 「それ」という場合には 'it'とはいえません。上記の通り、このような「それ」は'that'です。 



◆'it'は日本語に出てこない


ナチュラルな日本語であれば、このような'it'にあたる対象は、いちいち言及(表記・発話)しないケースの方が多くなります。


例えば、「持ってきてくれた?」というナチュラルな日本語に対する英文は'Did you bring it?'になるわけですが、英文上の目的語'it'にあたる言葉は日本語には出てきていません。

この会話をしている二人の間では、「何を(持ってきたか)」にあたる目的語は、これまでの経緯などかわかりきっているわけで、特定されています。これを表す英語が'it'
になります。

日本語ありきで考えた場合、このようなケースでいちいち「それを持ってきてくれた?」などと言う方が不自然なわけで、日本語文には'it'にあたる語句は省かれることの方が多くなるということです。

 


このような役割の'it'は、あえて日本語で無理矢理表せば、「それ」になるということにすぎません。

 

みなさまが中学校・高校時代に学習した「和文英訳」の問題文における「和文」においては、相対する英文上の'it'にあたる日本語を表記せねばならないため、いちいち「それを」、「それが」、・・・となっていたわけです。

そのため、多くの方がは「それ='it'」というイメージを持ってしまっているのです。


つまり、ナチュラルな日本語ありきであれば、いちいち「それ」と言う必要がある場合、'that'で表すべき状況が多くなるということです。

よって、レッスンおよび教材にて提供しております「日本語→簡単な英文」の組合せ例文の「日本語」は、普通に頭に浮かぶ日本語、ナチュラルな日本語を使用することにこだわっています。

よって、日本語例文上にて「それ」と言及している場合は、'that'で表現し、'it'で表されるべき「それ」は、あえて日本語例文上には表記しておりません。
 

 

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