「脱ネイティブ英語」のすすめ

英会話力(スピーキング力)の習得には、自らの口から英語を発するというアウトプットの練習も大切ですが、それ以上に大切なのが「聞くこと」です。

実際に話される英語を聞き、それを模倣、つまりマネするからこそアウトプットの練習が効率的になされるからです。

一方、幼少期ならさておき、日本で生活しながら英会話の上達を目指す社会人・大人の方にとって、CDの聞き流しやネイティブ講師とのレッスン等、ネイティブの話す英語を耳にしたところで会話力(スピーキング)は伸びません。ヒアリング力は上達しますが、スピーキング力は伸びません。


なぜ断言できるのかといえば、わたし自身がそうであったからです。

わたしは社会人になった当初、数年間にわたってネイティブ英語を聞き続け、ネイティブ講師とのレッスンに通い続けたにも関わらず、まったく話せるようにならず、ネイティブ英語から距離を置くようにしてからスピーキング力が向上しました。



■ネイティブ英語を聞く


社会人なってから、ほぼ毎日1〜2時間程度、CDに収録されたネイティブ英語を数年間に渡り聞き続けました。同時に、英会話スクールにてネイティブ講師とのマンツーマンレッスンも数多く受講しました。

その結果、聞き取れる英語は増えたものの、一向に話せないままという状態でした。ヒアリング力を鍛えれば、それに比例してスピーキング力も高まるものと思っていましたが、想定していたレベルにはほど遠かったのです。

英会話学習において、しばしば「聞き取れないものは話せない」と言われます。これはその通り。しかしながら、聞き取れたからといって話せるようになるわけではありません。

あくまで「聞き取れること」は必要条件であり、絶対条件ではありません。聞き取れる英語のうち、マネして発することができてはじめて口から出てくるようになるのです。

ネイティブの話す英語に接していてもスピーキング力が上達しない理由は、そもそも「聞き取れるようになるまでに苦労するから」、そして「聞とれるようになったとしても、マネできないから」。

聞き取れない、意味がわからない語句・用法が頻繁に含まれます。聞き取れるようになるまでに相当な時間を要することになります。聞き取るのですら苦労するのですから、それをマネして話すことなどできませんね。

また、仮に聞き取れたとしてもそこまでで精いっぱい。発音、スピード、ワードチョイス(言葉や表現、表現方法=文法)、どれをとってもわれわれ日本人にとって馴染みがないため、そのほとんどはマネして発するところまでいかずに終わります。もちろんごく一部話せるようになるものもでてきますが、圧倒的に効率が悪いのです。

また、聞いた英語の自分なりの和訳がその人の本当に意図しているものなのかどうかわからないため、聞きながら「こういうことを言いたいときに、こういう英語で言えばいいのか」という学習を無意識に行うこともできません。

ネイティブ英語を使って学習することは、ヒアリング力や語彙を増やす練習としては意味があります。しかしながら、会話力を上げるという目的の前では非効率的なのです。なぜなら聞き取りづらい、意味がわからない部分が多い英語をマネして話せるようになるはずがないからです。

そんなこと言ったら日本人は永遠に話せるようにならないのでは?と思われるかも知れませんが、決してそんなことはありません。ネイティブ英語を聞かなければよいのです。



■ネイティブ英語を聞くのをやめる


では、スピーキング力を上げるにはどうすればよいのか?

ずばり、最初から「マネできる英語を聞く」こと。耳にしたときに、「あ、これならマネできる」と思える英語を聞くこと。これが最も効率がよい上達法。

日本人にとってマネできる英語とは、「日本人が話す英語」です。

それも帰国子女や中学〜高校時代を欧米で過ごしたような人ではなく、あくまで一般の日本人と同様に英語を文法から学び、苦労して一定レベル以上に話せるようになった人の口から発せられる英語。

わたしの英会話力が上達したのは、ネイティブの英語ではなく、このような日本人の発する英語を聞くように意識し始めたときからでした。いわば、スピーキング力向上という目的において、ある時点からネイティブ英語を聞くのをやめたわけです。

このような英語を意識して聞くことでなぜ会話力が上達するのかといえば、それが「マネしやすい英語だから」です。

発音はカタカナ発音が一部修正された程度、スピードは決して速くない、簡単な単語・表現を使用し、学校で習った英文法に基づいて作文されるもの。普通の日本人にとって馴染みがある英語。

途中で詰まったり、言葉がすぐに出てこずにごまかしながら時間を稼いだり、一部間違えて言い直したり、・・というような英語。

このような英語は一回でほぼ聞き取ることできます。さらに、普通の日本人にとって現実的な英語だからこそマネでき、マネできるから話せるようになるのです。

また、原則的に母国語である日本語で発想したものを都度頭のなかで英語に訳して発されるものであるため、同じ日本人である自分と「発想→英訳→発話」というプロセスが同じだから、発した英語から「何を言いたいのか、何を意図しているのか」を把握しやすいものです。そのため、聞きながら「次は自分で使ってみよう」、「こういうことを言いたいときには、こういう英語で言えばいいのか」という学習を効率的に、無意識に行うことができるのです。


「普通の日本人が英語を話す」ということのメカニズムを理解し、意識することで、現在の英語力のままで英語を話す力を高めることができるのです。


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